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川廷尚弘
プロフィール
1970年 兵庫県芦屋市出身
1989年度 報徳学園高校 卒業
1993年度 神戸学院大学 経済学部 卒業
神戸学院大学在学中に国際公認チェアアンパイアの資格を、当時アジア最年少で取得。その後、国際レフェリーの最高資格「ゴールドバッヂ」として、20年間に渡り、ATPツアー、WTAツアー、グランドスラム、オリンピックなど、国際大会スーパーバイザーとして活躍。現在ITF(国際テニス連盟)アジア地域エグゼクティブ、ATF(アジアテニス連盟)常務理事として各国のテニス発展に尽力。国内ではJTA(日本テニス協会)専務理事直轄コミュニケーションマネージャーとして、選手や大会開催を含め幅広い相談役を務める。また、国際情勢に精通したネットワークと経験が認められ、国際委員長に任命される。2009年からジャパンオープンの最高責任者(トーナメントディレクター)に就任。日本のテニス界の全般に渡る企画と普及発展、および国際化に務めている。
私が高校を卒業後、地元の兵庫県の神戸学院大学に進学し、学生ライフを楽しみにしていたのですが、入学早々に運動中の事故で中心性頚椎脊髄損傷となり、当時は上半身の自由が利かないためプレーは断念。数年間のリハビの間、関西学テニス連盟の下で大会運営のノウハウや、実践的マーケティングを学習しながら社会復帰に努めていました。
「いつかはテニスコートに戻りたい」という思いで、リハビリの一環としてチェアアンパイアを体験。その後、自分の力の限界に挑戦したく、多くの審判の国際試験を受け、様々なレベルの資格を獲得。在学中には審判でグランドスラムをはじめ、世界の最前線に挑戦させていただきました。これが可能になったのも、神戸学院大学内での私の社会復帰と挑戦への理解を頂き、また大西哲夫監督をはじめとするテニス部の先輩や同期の友の応援あった故。神戸学院大学で与えられた機会と経験が、今の自分のキャリアに繋がることとなりました。
卒業後は、年間10ヶ月の海外でのツアー生活を20年続けました。大会での任務に加えて、様々なテニスを通じた国際交渉を行ってきました。時には内戦直後の復興に努めるアラブ諸国や旧ロシア諸国の現場でのテニスの普及事業、中国やインドなど経済新興国ではテニスの国際化事業、世界から孤立した北朝鮮やミャンマーに行って事業計画の協力交渉など、様々な文化と宗教が異なるアジアには47の国と地域に東奔西走してきました。もちろん、容易な仕事ではありませんが、これも数多くの留学生とも交流が出来た大学での経験と知識を活かせることが出来たように思えます。
現在、東京に拠点を置き、様々なテニス事業と計画に携わっています。最高峰で日本最大のテニスイベント、「ジャパンオープンの総責任者(トーナメントディレクター)を務めることが出来るのも、学生時代から経験した大会企画運営、マーケティングのノウハウの賜物です。そして世界で培った交渉力とネットワークを活かして、1人でも多くの世界トップクラス選手の来日できるよう、また8万人の来場者と、35カ国で放映されるテニスファンに向けて、夢と感動を与える大会になるように努めています。
自分の発想の根幹には、常に神戸学院大学での経験と、大学テニスで覚えた同様の発想が基礎になっていることを今はうれしく思っています。今も大学テニスの普及と発展への思いが強く、財団法人日本テニス協会に学生強化委員会を設置し、副委員長を務めながら、微力ながら大学テニス界へもお手伝いさせて頂いております。
次は、少しでも多くの機会を探しながら、神戸学院大学の皆さんとの繋がりを持てることを楽しみにしています。テニス部員の皆さん、新たに入学入部される皆さん、OB会の皆さん、またお会いできる日を楽しみにしています。